デンカラムとの出会い

コーヒー生産者 デンカラムとの出会い

2017年12月8日
僕はエチオピアのカッファという地域にいました。
コーヒー生豆を輸入しようとしていたのでした。

当時の僕は、島根県の隠岐の島でゲストハウスKUSUBURU HOUSEを立ち上げ、運営メンバーの一人でした。
そんなこともあり、そのKUSUBURU HOUSEでエチオピアのコーヒーをお客さんに提供しようと思っていたのでした。

それゆえ、輸入しようとしていた量は麻袋一袋分(60㎏)のみでした。
コーヒーの業界のことなど何も知らない僕はカッファ地方を歩きながら「コーヒー輸入したいねんけど、どうしたらいいですか?」と町の人たちに聞きまわっていました。

エチオピアのコーヒー屋

 

当然ながら「なんなんや、こいつ」というような目で見られつつ、“ウォッシングステーション”というところに行けば輸出できる人がいることを知りました。

一番最初に行ったウォッシングステーションは町中にある、農協てきな機関が運営しているところ。
マネージャーと話をする機会をもらい、さっそく

僕「コーヒー豆を輸入したいんですがいけますか?」
マネージャー「何コンテナ分いるのかね?」
僕「60kgです。そしてグレード1がいいです。」
マネージャー「。。。。」

その当時、そこにはグレード2が最上級でグレード1はなかったのでした。
そしてそこは日本の大手とも取引をしている、とても大きなところでした。

『60kgしかオーダーしないやつがグレード1を要求している。。。』

沈黙の中に僕は彼のそれを感じました。
そして「あ、そういう世界なのか!」と知ったのです。

それでも諦めずに
僕「取引量は年々上げていきますし、初回から大量のオーダーをするのはこちらのリスクが高すぎます。だから今回は少量で取引させてください。」
マネージャー「。。。。」

今回の沈黙+マネージャーの嫌そうな顔で僕は思いました。
『この人、雇われマネージャーで権限がない。というか向上心が感じられない!やめておこう!こちらから願い下げやぁ!』

そしてそのウォッシングステーションを去ったのでした。
今思えば、常識知らずの若造が何を言うてるんwwwみたいな感じでしょう。

それでもね、なにかアクションを起こしたかったんです。
大好きになったエチオピアと何かして、繋がりたかったんです。

そこでめげずに、またまた街を歩き、「良いコーヒー輸出者を知りませんか?」と今度はちょっと成長した質問で周りました。

市場のコーヒー生豆屋

すると「デンカラムってのがいるよ。」と答えが返って来たのでした。

そんな訳で、どうやって連絡をとったらいいのかも分からないので、突撃訪問。

デンカラムは僕の話を聞くと、「とりあえずサンプル飲む?」と言って近くの家に頼んでエチオピア式の淹れ方でコーヒーを飲ませてくれました。

コーヒーを淹れてくれたファミリー

その味が今でも忘れられません。
衝撃的に美味しかった。

エチオピアではコーヒー屋が沢山あり、僕は道中あらゆるところでコーヒーを飲んでいました。
その中でも群を抜いて美味しかったのです。

ビビっときました。

それでもグレードは2でした。
→エチオピアではグレードは欠点豆の少なさで決まります。

日にちを改めて、商談をしよう。となりました。

 

2017年12月30日

僕は白くてきれいなシャツを一枚、大切な時用に持ってきていました。
それを着て、商談が行われるレストランで待っていました。

しかし、約束の時間になってもデンカラムは現れませんでした。
電話すると「今向かっている!」とのこと。

2時間たってもデンカラムは来ませんでした。
電話しても「今向かっている!」と。

どこからどこに向かってんねん。。。

結局、その日は5時間くらい待ちぼうけでデンカラムは来なかったのでした。
商談は翌日になりました。

 

2017年12月31日

僕はいつものアウトドア用のロンティを着て、また同じレストランで待っていました。
またもや1時間たっても現れない。。

しびれを切らした僕は通訳に頼んで
「今日来なかったら、あなたは一生後悔する。こんな良い話は今後の人生で一度もないだろう。逃したくなければ今すぐ来てください。」
と告げて電話を切りました。

すると30分後。

デンカラムは現れて商談が始まりました。

クオリティは今ままでになかったグレード1
・森で採られた実だけを扱う
・赤い実だけを採る
・アフリカンベッドを使う
・異物除去を2回から3回に
・新品のオリジナル麻袋を使う

価格交渉はまるで映画の一コマのようで

こちらが〇ドルと言えば向こうは、それよりも高い値段の△ドルと言い、切り詰めて切り詰めて、お互いが納得する値段になって、日本時間で2017年から2018年に変わる時、商談が成立したのでした。

デンカラムとのツーショット

僕は持っていた全財産で買える量の500kgを輸入することにしました。
この業界の“単位”を知りました。
500kgという量に対して生産者、デンカラムは多大な労力がいります。
トラックをチャーターしたり、輸出検査に輸出手続き。
18トン輸出しようが500kg輸出しようが、その手間は変わりません。
500kgの為だけに18トン積めるトラックが一日使えなくなってしまうわけです。

多くの量を取り引きすることがエチオピア現地の為になるという事をしっかりと感じました。
この時、『18トン(コンテナ1台分)を輸入する』のが直近の目標というか、使命になりました。

そして僕はゲストハウスKUSUBURU HOUSEだけでは、その量は消費できない。島にいては営業は勿論、物流にも問題が生じる。と考え、一緒にKUSUBURU HOUSEを立ち上げたアッキーに運営を託して島を出ることにしました。

本当に自由すぎますよね笑

アッキーには本当に感謝してます。
なんなら僕から「ゲストハウスしようぜ!」と言って始まったのにも関わらず、「自分の好きな道をいけばいいよ!」と背中を押してくれたんです。

そのお陰で今のGalitebeがあります。

エチオピアでデンカラムと商談を成立して、日本で隠岐の島を出ることにして、“コーヒー生豆屋”という道を歩き始めたのでした。

 

To be continued...

 

KUSUBURU HOUSE
https://kusuburu-house.com/

デンカラムの生豆
https://galitebecoffee.com/products/greenbeans-denkalem

デンカラムのドリップバッグ
https://item.rakuten.co.jp/galitebecoffee/v_42613222867110/

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