【エチオピア】コーヒー生産地でのコーヒーを知ってますか?

【エチオピア】コーヒー生産地でのコーヒーを知ってますか?

エチオピアでコーヒー抽出

エチオピアは世界有数のコーヒー生産地。

そして生産したコーヒー豆の約半分を自国消費します。

今回はエチオピアで、どのようにコーヒーが消費されているかを詳しく見ていきたいと思います。

あなたが思っているコーヒー生産地、エチオピアは想像している通りでしょうか?

記事を読んでいただくことで、エチオピア現地での『コーヒー』を知っていただけます。

 

目次

・自分用のコーヒー豆を調達
・お手製ベッドで乾燥
・コラム エチオピアで一番飲まれている産地
・脱穀は○○を作るところから
・エチオピア式、様々な焙煎方法
・番外編 少数民族でのコーヒー文化
・自由な飲み方
・まとめ

 

・自分用のコーヒー豆の収穫

都市部には国内のあらゆるところからコーヒー生豆が運ばれてきます。
なので商店にいくと必ずコーヒー生豆が手に入ります。

エチオピアのコーヒー生豆屋

 ただし、地方にいくと違った調達方法があります。

Galitebe(ガルテンビ)のコーヒー豆の生産地、カッファでは商店でも生豆は売られていますが他でも生豆を手に入れることが出来ます。

1つ目は週に1回開催されるマーケットにて。

エチオピアのコーヒー生豆屋

 ここではコーヒー生豆を量り売りしています。

こちらの基準で見ると、グレード5くらいでしょうか。
形や色がバラバラな生豆がじゃがいも等の作物と一緒に並べられています。
嗜好品というよりも、“生活必需品”として扱われているのが分かります。

 エチオピアで売られているコーヒー生豆

マーケットで買うのもいいですが、もう1つ調達方法があります。

それは自分の裏山から直接収穫です。
「エチオピアは小規模農家ばかり」と思われがちですが、実際に向こうで僕が感じたのは「小規模農家になるぞ!」と意気込んで農家になるのではなく、「代々住んでいた家の裏にコーヒーの木、山があった」というような感じです。

なのでコーヒーの木を代々持っている家は、自分のコーヒー豆は自分のところで調達します。

エチオピア、カッファのコーヒー農家

そして自分の分以外のコーヒー生豆は近くのウォッシングステーションに持ち込み、収入にするのが一般的です。

 

・お手製ベッドで乾燥

収穫をしたら乾燥させます。

アフリカンべッドを自作で用意して乾燥させたり、シンプルにシートの上で乾燥させたり、家によって乾燥方法は異なります。

エチオピアでコーヒー乾燥

ここの家はどうでしょう。
屋根の上にジャバナ(コーヒーを抽出するもの)が飾られているくらい、コーヒーが好きみたいです。
おそらくコーヒー農家さんの家ですね。

エチオピアのコーヒー農家の家

エチオピアの家の上にあるジャバナ

ここでは簡易的なシートで自分用のコーヒーが乾燥されていました。

自家製コーヒーの乾燥

乾燥が終えると次は脱穀です。

その前に話を少し脱線しましょう。

 

【コラム】エチオピアで一番飲まれているコーヒー豆の産地は?

コーヒー豆をこのように自分で収穫できる場所もあれば、都市部などでは商店で買って調達するのが日常です。

では、そのコーヒー生豆はどこから来ているのでしょうか?

エチオピアでコーヒー生豆販売

現地で聞き取り調査をしたところ、国内で有名なコーヒー生産地は3か所くらいあります。

その中でも一番飲まれているのが、カッファ産のコーヒー豆。
Galitebe(ガルテンビ)が取り引きしている場所あたりからのコーヒー豆が都市部では一番飲まれていました。

エチオピアでもやはり、甘くて深みのあるコーヒー豆が人気みたいです。

都市部からカッファに行く際には必ず「コーヒー生豆を買ってきて欲しい」と都市部に住んでいる友達から頼まれます。

インフラが整っていて、通販でなんでも買える日本の環境では考えにくいですが、カッファ産のコーヒー豆を手に入れるという事は、エチオピアではちょっとしたブランドのうように感じました。

実際、その豆を使って首都でコーヒー屋をしているお店はいつもお客さんでいっぱいです。
しかしある時、そこにコーヒーを飲みにいったらいつもと違う味がしました。
カッファ産が手に入らなかったみたいです。
その後も何回か、その店の前を通りましたがお客さんの数は少なくなっていました。

アディスアベバのコーヒー屋

他の要因も重なったのかもしれませんが、その1つの要因としてカッファ産ではない豆を使っていたのは少なからずあるでしょう。

それくらい、カッファ産は人気なのです。
※出身地によって好みが分かれたりもします。数字的な根拠ではなく、あくまで体感です。

本題に戻りましょう。

 

・脱穀は○○を作るところから

コーヒーを収穫して乾燥させるまではシンプルな作業です。

乾燥させたら脱穀をしなくてはいけません。
脱穀して初めて“コーヒー生豆”になるのです。
脱穀するには道具がいります。

大きな精製所では機械を使いますが、家庭では脱穀器を作るところからです。

コーヒー 脱穀器を作る

コーヒー脱穀器

木を切ってきて、それを脱穀器にします。
僕も試しにさせてもらいましたが、なかなか根気のいる作業です。

コーヒー脱穀器をつくってみた

脱穀器ができたら、やっとコーヒーの実を脱穀していきます。

コーヒー生豆にする工程

コーヒーを脱穀する様子

外皮が剥けたらウエイターがよく持っている、トレーみたいなもので皮を取り除きます。

脱穀後のコーヒー豆

このやり方ですが、フライパン返しのように豆を空中で躍らせていきます。
すると外皮や異物と、それよりも重い“生豆”に分かれます。

コーヒー脱穀後の選別

ついに生豆の完成です。

・エチオピア式、様々な焙煎方法

生豆になると、次は焙煎です。

焙煎方法は大きく分けて3つあります。

①自分で飲む用

マンカシャカカシャ コーヒー手焙煎器

エチオピアで最もされている焙煎方法はこのフライパンを使った焙煎。
1番手軽で、どの家に行ってもあります。
このフライパン、『マンカシャカシャ』というのですが、アムハラ語(エチオピア公用語)で『マン』は“なにか”という意味。
ゆえにマンカシャカカシャの意味は『なにかカシャカシャするもの』。
由来、めっちゃシンプルじゃないですか?笑

マンカシャカシャを使った焙煎は以下で確認できます。

【実演】コーヒー焙煎!マンカシャカシャの使い方


 

②店で提供用

エチオピアでのコーヒー焙煎

町の店ではこのように焙煎されるのが一般的。
大きな鉄板と豆をかき混ぜるヘラみたいなものを使ってします。
僕もやってみましたが、めっちゃ焦げます笑
上手く焙煎するのは相当の技術がいります。

 

③豆売り用

エチオピアでのコーヒー焙煎機

エチオピアにも日本で使われているような焙煎機があります。
こちらは最近、エチオピア政府が伸ばしていきたい産業の1つ。

これが上の焙煎機で焙煎したコーヒー豆

エチオピアのコーヒー焙煎豆

 

このように、エチオピアではお手軽なものから本格的なものまで、あらゆる人がコーヒーを焙煎します。

こっちだと米を炊くような感じでしょうか。
いや、それ以上に身近に感じます。

「コーヒー豆を挽くなんて敷居が高いわぁ」という声はエチオピアでは聞こえてきません。
「このコーヒー豆は○点の評価をもらったもの」という声も聞こえてきません。

自分にとって美味しいか、美味しくないか。

これに尽きます。

美味しいコーヒーを飲むために収穫から焙煎、そして抽出までを手掛けるんです。

 

・番外編 少数民族でのコーヒー文化

都市部ではコーヒー生豆を調達して焙煎して飲むのが当たり前。

では、南部にある少数民族の村ではどうでしょう?

エチオピアの少数民族がカスカラティー

僕がGalitebe(ガルテンビ)という名前をもらったバンナ族の村では“カロ”という、コーヒーの殻を煮出したものを飲みます。

味は葛根湯のようなもので、日本ではカスカラティーとして出回ってますね。

カロはカスカラティーの何の味付けもしていないバージョンです。

カロ

村の家に訪れると必ず3杯はこれを飲まなくてはなりません。

3杯飲むことが村での礼儀とされています。
お腹チャポチャポになります。

都市部や町ではコーヒー豆を、かけ離れた村ではコーヒーの皮を。

エチオピアでは国全体で無駄なくコーヒーを消費します。

この循環、僕は大好きです。
文化や言葉が違う、85種以上の民族がコーヒーで繋がってる感じがします。

それでは、最後のに飲み方を見てみましょう。

・自由な飲み方

エチオピアで1番行われている抽出方法はこのジャバナを使った抽出方法。

エチオピア伝統ジャバナを使った抽出

このハクション大魔王の壺のようなものは、とーってもデリケートです。
日本に運んできた際には15個中8個が壊れます。(経験済み)

壊れたジャバナ

そんなジャバナを使って現地では抽出します。

抽出の仕方はシンプルで、ジャバナにお湯と焙煎したコーヒー豆を粉にして入れて煮出すだけ。
ということで実際に僕もやってみたのですが、案外難しい。。

水とコーヒー粉の比率が分からない。
中でどうなっているのかが分からない。
火が強すぎるとジャバナが欠けてしまう。

エチオピア コーヒーセレモニー

それを感覚でやってみせるエチオピアの人たち。

重さを量ることもなく、時間を計ることもない。

町のコーヒー屋さんではジャバナでは間に合わないため、鍋で作ることもあります。

エチオピアでコーヒーを大量に作る

これがまた美味しいんですよね笑
この抽出方法でも産地が変わると味の違いがハッキリ分かります。

エチオピアでは基本、無添加で体にいいものばかり食べているからでしょうか。
(エチオピア滞在中、現地でのコーヒーは美味しかったのですが、日本から持って行ったカップ麺が劇的に不味く感じたのは今でも忘れられません。)

その他にも都市部ではエスプレッソマシーンがあったり、田舎の方ではコーヒーに塩を入れたりします。

エチオピアのエスプレッソマシーン

ちなみにエチオピアにはスターバックスやマクドナルドはありません。
独自のコーヒーチェーン店が存在します。

とっても外国企業が参入しにくい国の1つでもあるのです。

まとめ

エチオピアの多種多様なコーヒーとの付き合い方。

“みんな違ってみんないい”みたいなことを、エチオピアのコーヒー文化から感じます。

どんな焙煎方法でも、どんな抽出方法でも飲む本人が美味しければ、それでいいんです。

Galitebe(ガルテンビ)はその雰囲気だったり、文化が好きでコーヒー生豆の輸入を始めました。

日本でも多種多様な扱われ方をして欲しく思います。

コーヒーの可能性、まだまだ開拓できそうですね。

エチオピアのコーヒーセレモニー

話に出てきたもの。

コーヒー生豆
https://galitebecoffee.com/collections/greenbaens
マンカシャカシャ
https://galitebecoffee.com/pages/mankeshkasha
ジャバナセット
https://galitebecoffee.com/collections/jabanaset

 

To be continued...

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