8/15より麻袋(50kg)の価格が上がります!

壮絶なるマンカシャカシャ物語

 マンカシャカシャ

 

エチオピアではコーヒー生豆を商店などで買ってきて、自分で焙煎するのが日常的です。
そこでコーヒー豆を焙煎するときに使うのが、マンカシャカシャというもの。
今日はその『マンカシャカシャ』についてや、マンカシャカシャを日本に輸入するときの激動エピソードをお話したいと思います。
 
目次
・マンカシャカシャとは?
・50個を輸入する予定が1,500個になった
・エチオピアでの製造工程で○○○○個ダメになった
・勤続20年の通関士が「こんなひどいもの初めて見た」
・生き残ったマンカシャカシャ
 
 
・マンカシャカシャとは?
 
そもそもマンカシャカシャとはコーヒーを焙煎するフライパンです。
アムハラ語(エチオピアの公用語)で「マン」は「何か」という意味で、「何かカシャカシャするもの」というところから『マンカシャカシャ』という名前になったと、エチオピアの友人が言っていました。
由来めっちゃテキトー。。。
それでいいのがエチオピアですね笑
 
手焙煎パン マンカシャカシャ
 
底に突起が付いており、良い感じに豆が飛び交うのでコツを掴めば、ムラ無くきれいに焙煎できます。
元々は中国からエチオピアが輸入したもので、本来の姿はこれです。
 
従来のマンカシャカシャ
 
その柄をエチオピア現地でGalitebe(ガルテンビ)のオリジナル仕様にしたものが現在販売中のマンカシャカシャです。
 
ガルテンビのマンカシャカシャ
 
重さ僅か120gほどで、子どもや女性でも手軽にコーヒーを焙煎できます。
エチオピアでは一家に一台あると言っても過言でないくらい、当たり前に存在します。
 
エチオピアでのマンカシャカシャ
 
一回に焙煎できる量の推奨は50gで、約3杯分のコーヒー豆が焙煎できます。
 
 
・50個を輸入する予定が1,500個になった
 
そんなマンカシャカシャですが、当初は僕がエチオピアに行った際に手荷物で持ち帰り、限定数50個をクラウドファンディングで販売しようとしたのが始まりです。
 
クラウドファンディング
 
 
当初は「限定数50個でも売り切れにはならないだろう」と思っていました。
しかし、クラウドファンディングを開始してみると公開後数日で“売り切れ”に。
これは製品化してみたらおもしろいかも!ということで柄の部分を改良することに。
 
クラウドファンディング2
 
最初は200~300個ほどをエチオピアにオーダーしようと思いました。
すると「300個でも1,000個でもトータルかかる金額はほとんど一緒ダヨ!」とエチオピアのエージェントが言い出しました。
 
どういうことかと言うと、マンカシャカシャは航空便で輸送予定でした。
エチオピアからの航空便は㎏ごとに料金が変わります。
例えば重量が
~100㎏までは㎏/7ドル
101~200㎏の場合は㎏/6.8ドル
中略
901~1,000kgの場合は㎏/3ドル
 
のような料金システムです。
※価格はあくまで例。
 
なので100㎏を輸送しようとすると700ドルがかかります。
1,000kgの場合は3,000ドルです。
 
そこに税金や輸出入での、諸費用が掛かってきます。
そしてマンカシャカシャの製造費も300個よりも1,000個の方が1個当たりの費用が安くなります。
 
諸々を計算すると、300個の費用に少し足せば、1,000個輸入できるという計算式になりました。
 
なんだかお得で嬉しい気分になった僕は「もう、いっそのこと500個プラスしよう!」となりました。
 
Happy
 
そんなこんなで1,500個を輸入することに。
 
これが悪夢に始まりでした。。。
 
 
・エチオピアでの製造工程で○○○○個ダメになった
 
もともと付いている柄を取り外してGalitebeオリジナルの柄を取り付ける作業がエチオピアで始まりました。
取り付ける柄にはレーザーでGalitebeのロゴを印字します。
 
マンカシャカシャ
 
木の部分は1つ1つ手でやすりをかけて出来ています。
 
エージェントから「1,500個がもうすぐ完成しそうダヨ!」と連絡がありました。
僕は「発送する前にしっかり印字が出来ているか、クギなどが出ていないかを確認してほしい」と言いました。
もうね、この頃には僕はエチオピアという国に慣れてきていました。
念には念を重ねないと、斜め後ろから問題が必ず起きます。
 
数日後。エージェントから連絡がありました。
 
「ユーヘイ、、、確認したヨ。。。」
 
なんだか声のトーンがおかしいエージェント。
 
「。。。1,000個のマンカシャカシャがダメだったヨ!」
 
いやいやいやいやいやいやいやいやぁああ
来ました。斜め後ろから。
 
僕「どういうこと?!」
エージェント「職人が手を抜いたんだヨ!俺のせいではないヨ!あいつがやらかしたんだヨウ!」
 
もうね、絶句でしたね。。
どうなったかと言うと、柄の部分のレーザー印刷ができていなかったり、ネジが貫通してしまって裏側に出ていたり、中には木が割れているものもあったり。
トータルで1,000個が商品としては扱えない状態だったそうです。
 
ボツになった1,000個の材料費や製造費はGalitebe持ちです。
新たに作りなおす1,000個の材料費や製造費も、もちろんGalitebe持ち☆
 
それに加えて責任回避するエージェント。。。
 
誰にあたったらいいのか分からない。
費用だけがかさんでいく。。
 
超落胆でしたが、ここで何もせず、良品の500個をエチオピアに放置するわけにもいきません。
クラウドファンディングで購入してくれたお客さんも待っています。
何としてでも前に進めなければいけません。
 
しぶしぶ追加分の費用を支払い、「今度こそは良いものを作ってくれ」と念を押しました。
 
なんとかできた1,500個のマンカシャカシャは遂に航空会社へと持ち込まれました。
 
 
・勤続20年の通関士が「こんなひどいもの初めて見た」
 
航空会社に代金を支払い、マンカシャカシャが搭乗する便が決まりました。
今回の輸入は成田空港着で、通関会社に委託します。
 
通関会社の担当者Sさんから「商品到着のスケジュールが決まった」と連絡がありました。
この後の流れとしては、通関手続きをして、消費税や輸入税を支払い、成田空港から大阪にあるGalitebeの倉庫へ運ばれます。
 
Sさんはいつも同じトーンで淡々とお話をする穏やかな方です。
メールでもそれが伝わります。
 
商品到着後、Sさんからメールありました。
「お世話になっております。到着しましたが、ダメージがあり、通関する前に状況を確認しなければなりません。保険に加入することをお勧めします。」
 
・・・え?
 
淡々と打たれたメールの内容に嫌な予感を感じました。
 
そして状況を確認したSさんから、写真が添付されたメールが来ました。
 
「びっくりしました。私も20年以上この仕事をしていますが、こんなにひどいダメージ
は初めてです。」
 
破滅のマンカシャカシャ
破滅のマンカシャカシャ2
破滅のマンカシャカシャ3
 
 
きょえええええええ。
なんじゃこれええええ!
 
貨物室内でシャンパンパーティでもしたのかというくらい、ビショビショでボロボロになったマンカシャカシャたち。
絶句でした。。
 
この頃から、僕は悟りを開き始めました。
 
 
あゝまたネタが増えたね。
 
 
落ち込んでも仕方がないし、怒っても仕方がない。
 
 
エチオピアとビジネスをするという事は、こういうことなんだ。
 
 
僕は今、エチオピアとビジネスをしている。
 
 
こんな経験を人生で楽しめる人はいったい何人いるんだろう。
 
 
僕は選ばれたんだ。
 
 
あゝエチオピア。
 
エチオピアの森
 
 
・生き残ったマンカシャカシャ
 
Sさんの神対応もあり、ボロボロになった段ボールを新しいものへと変えてもらいました。
そして遂に、マンカシャカシャたちが倉庫にやってきました。
倉庫にやってきたマンカシャカシャ
 
 
倉庫では、改めて検品作業を行いました。
 
検品すると約200個のマンカシャカシャが錆びていたり、輸送時の衝撃で使いものになりませんでした。
そしてさらに約300個のマンカシャカシャは製造時のミスと思われる、ネジが出ていたり、柄の部分がグラグラでした。
 
破損したマンカシャカシャ
 
もはや、エージェントに怒る気力もありません。
 
生き残ったマンカシャカシャは約1,000個でした。
 
1,500個オーダーしたら、1,000個生き残ったわけです。
3人に1人は犠牲になった、過酷な戦いでした。
 
ただし、考え方によっては「1,000個無事だった」という風に落とし込めます。
場合によっては全部がダメだったかもしれません。
 
 
まとめ
 
なにごともポジティブに考えられるのがGalitebeの強みです。
というか、ポジティブに考えないとやっていけないのがエチオピアとのビジネスです。
 
今回はエチオピアの風を、真っ向からも斜め後ろからも感じられました。
正直、マンカシャカシャは追加で輸入することはないでしょう。
 
生き残ったマンカシャカシャたちを大切に販売していきます。
Galitebeにとってマンカシャカシャは、色々な思い出が詰まった青春のような商品です。
是非一度、手に取ってエチオピアに想いを馳せてみてください。
 
マンカシャカシャ